パーキンソン病、脊髄小脳変性症の歩行

難病の症状


歩行の症状について

パーキンソン病や脊髄小脳変性症の症状で基準になってくるのが、歩行の状態だと思います。
また患者様のQOL(生活の質)に関わる事でもあり、歩行障害の進行を抑える事が一番最初の治療のポイントになる事が多いと思います。
そこで、歩行の状態を長く維持する為に必要な事をお話したいと思います。

歩行に必要な事

・まず歩行をする時の必要な体の機能として

  • 筋力
  • 関節の可動域
  • 平衡感覚

が大きく関係してきます。
リハビリをされている方は日々こういう所が弱くならないように、訓練されていると思います。
日々体を動かす事が、これらの機能を維持する為に必要になってきます。

・その時のポイントとして

  • 体を大きく動かす
  • 飛んだり、走ったり様々な動きをする(安全を確保し、ご自身の体力に合わせた上で)
  • 日常でしない動きをする

※年齢や症状の進行の程度を考慮して行って下さい。

症状の程度によっては、なかなか難しいと感じる方がおられるかと思いますが、無理をし過ぎない程度に無理をする、要するに普段できている事より1ランク上の事をするという事が大切になってきます。

普段の生活の中での動きは、一番安全で確かな体の使い方を無意識のうちにするので、進行の程度によってだんだんと、あまり負荷が少ない様な体の使い方になっていってしまいます。

日常では、転倒したりして怪我をしない為にそうして頂く方がいいのですが、負荷の少ない動きばかりになってしまうと、筋力や平衡感覚、関節の可動域を発揮する機会が少なくなり、結果、体の運動感覚がどんどん薄れていってしまいます。

そうならない為にも、進行の程度によって、転倒しても骨折など怪我がない様な状況で体を大きく・沢山の動きをして、平衡感覚を体に経験させる様にして下さい。

転倒するとダメだと思うと体に余分な力が入り、余計に動きにくくなりますが、転倒しても大丈夫な状況にする事で余分な力が抜けて、自然な体の使い方ができ、本来の自分の平衡感覚の程度を確認する事もできます。

普段歩行する上で重要な事

リハビリや運動時に意識して頂きたい事のお話をさせて頂きましたが、普段の生活の中で意識して頂きたい事があります。

それは、重心の位置です。

すごく当たり前の様な事だとは思いますが、パーキンソン病や脊髄小脳変性症の方を見ていると、歩く時の重心が上半身にある方が多いです。

これは、足が出にくいのに、気持ちが前にいってしまい結果上半身だけ前にでたり、バランスをとる為に上半身に力が入り過ぎてしまうといった事が原因になっています。
その結果バランスを崩し転倒してしまうという事が多いです。

ですので、常に重心の位置を意識して歩いて頂く事が大切です。
その重心の位置は、お臍の下辺り、骨盤の辺りです。

赤点線の辺りを意識する

気持ちが前に行き過ぎたり、必要な所以外に力が入り過ぎる事を防ぎ、体のバランスが安定し易くなるので是非意識してみて下さい。


歩行の状態を維持する為に、意識して頂きたい事をお話させて頂きました。
すぐに全てを実行する事は難しいと思いますが、少しづつ思い出した時に意識して修正してみて下さい。

分からない事や治療に関してのご質問等ありましたら、ご気軽にお問い合わせください。

パーキンソン病の症状

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