
大阪市都島区・京橋の鍼灸院【南川はりきゅう院】です。
当院では、パーキンソン病の症状や、薬の効き目が不安定でお悩みの方の施術を行っています。
パーキンソン病の治療を続けていると、
- 「さっきまで動けていたのに、急に動きにくくなる」
- 「同じ薬を飲んでいるのに、日によって効き方が違う」
このような不安を感じる方がとても多くいらっしゃいます。
これは決して珍しいことではなく、パーキンソン病では多くの方が経験する状態です。
今回は、薬の効き目が不安定になる理由と、日常でできる工夫について分かりやすくお伝えします。
薬の効きが不安定になる状態とは
パーキンソン病では、
- 薬が効いて動きやすい時間(オン)
- 薬の効果が切れて動きにくい時間(オフ)
が現れることがあります。
特に、薬を飲んでから次の薬までの間に症状が強くなる状態を**「ウェアリング・オフ現象」**と呼びます。
この状態があると、日常生活の予定が立てにくくなり、不安やストレスが増えてしまいます。
なぜ同じ薬でも効いたり効かなかったりするのか
① 病気の進行による影響
パーキンソン病では、脳内のドーパミンを作る働きが徐々に低下します。
初期のころは脳にある程度の余力があるため、薬の効果が安定しやすいのですが、
進行とともに薬の効果をためておく力が弱くなり、効き目の波が出やすくなります。
② 便秘による薬の吸収低下
意外と見落とされがちなのが便秘です。
パーキンソン病では自律神経の影響で腸の動きが低下しやすく、便秘になりやすい傾向があります。
薬は腸で吸収されるため、便秘があると
- 薬の吸収が遅れる
- 十分に吸収されない
といったことが起こり、効き始めが遅い・効きが弱いと感じやすくなります。
③ 自律神経の乱れ・緊張
緊張や不安、疲労が強いと自律神経が乱れやすくなります。
自律神経の乱れは、
- 血流の低下
- 内臓の働きの低下
につながり、結果として薬が効きにくい状態を作ってしまうことがあります。
「外出前や人前だと急に動きにくくなる」という方は、この影響が関係していることも少なくありません。
④ 食事や生活リズムの影響
高たんぱくの食事を摂った直後は、薬の吸収が影響を受けることがあります。
また、
- 睡眠不足
- 疲労の蓄積
- 冷え
なども、薬の効き目に影響を与える要因になります。
日常生活でできる工夫
薬の効きを安定させるために、次のような点が役立つことがあります。
- 便秘を放置しない
- 身体を冷やさない
- 無理な予定を詰め込みすぎない
- 緊張しやすい場面では深呼吸を意識する
これだけでも、薬の効き方が変わる方がいらっしゃいます。
東洋医学からみた「便秘」と薬の効きの関係
東洋医学の視点からみると、パーキンソン病の方は「脾胃(ひい)」の働きが弱っているケースがとても多くみられます。
脾胃とは、
- 食べたものを消化・吸収する
- 必要な栄養を全身に巡らせる
といった、身体のエネルギー循環の中心となる役割を担っています。
脾胃の働きが弱ると起こること
脾胃の状態が悪くなると、
- 食べたものをうまく消化・吸収できない
- 栄養が必要なところに届きにくくなる
- 不要なもの(東洋医学でいう「湿」や「痰」)が体内に溜まりやすくなる
といった状態が起こります。
この「溜まった不純物」は、
- 血流の低下
- 身体の巡りの悪化
- こわばりや重だるさ
につながりやすくなります。
便秘と全身の巡りの悪化
脾胃の働きが低下すると腸の動きも鈍くなり、便秘が起こりやすくなります。
東洋医学では、便秘は単に腸の問題ではなく、
- 全身の巡りが滞っているサイン
と考えます。
この巡りの悪さが、
- パーキンソン病の症状の程度
- 薬の効き目の不安定さ
に影響しているケースも少なくありません。
薬の効きが安定しにくくなる理由(東洋医学的視点)
脾胃が弱り、巡りが悪くなると、
- 薬の吸収がスムーズにいかない
- 薬が全身に行き渡りにくい
といった状態が起こりやすくなります。
その結果、
- 効き始めが遅れる
- 効いたり効かなかったりする
と感じやすくなると考えられます。
鍼灸でできるサポート
鍼灸治療では、
- 自律神経のバランスを整える
- 血流を促す
- 脾胃の働きを整える(腸の働きを助ける)
- 身体の緊張やこわばりを和らげる
といった働きが期待できます。
実際に、
- 薬と薬の間のオフの時間が短くなった
- 効き始めが安定してきた
と感じられる方も少なくありません。
※効果の感じ方には個人差があります。
最後に
薬の効きが不安定になると、「このままで大丈夫だろうか」と不安になると思います。
ですが、
- 病気の特徴を知ること
- 身体の状態を整えること
によって、日常生活を過ごしやすくできる可能性は十分にあります。
お一人で悩まず、主治医や治療者に相談しながら、無理のない方法を見つけていきましょう。
大阪市都島区京橋にある鍼灸院【南川はりきゅう院】では、
パーキンソン病の症状や、薬の効きが不安定でお悩みの方に対して、
東洋医学の考えをもとにした鍼灸施術を行っています。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。


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