
「なんとなく頭がぼーっとする」
「頭がスッキリしない」
「ずっとふわふわした感覚が続いている」
多系統萎縮症の方の中には、こうした**“説明しにくい不調”**に悩んでいる方が少なくありません。
今回は、「頭がぼーっとする感覚」の原因について、現代医学と東洋医学の両方の視点から解説します。
多系統萎縮症で頭がぼーっとする原因①
平衡感覚の不安定さによる「脳のオーバーワーク」
多系統萎縮症では、小脳や脳幹、自律神経などの働きが低下し、平衡感覚が不安定になりやすいとされています。
私たちの脳は、
- 内耳(バランス感覚)
- 視覚情報
- 体性感覚(筋肉や関節の感覚)
を統合して、無意識のうちに体のバランスを整えています。
しかし、これらの情報処理が乱れると、脳は常に
「倒れないようにする」
「バランスを保とうとする」
という作業を続けることになります。
その結果、
脳が休めない状態=オーバーフローのような状態になり、
- 頭がぼーっとする
- 集中力が落ちる
- 思考がぼんやりする
といった症状につながっている可能性があります。
多系統萎縮症で頭がぼーっとする原因②
東洋医学の視点では「腎」の働きが関係するとも考えられます
東洋医学では、「腎(じん)」は単なる腎臓という意味ではなく、
- 生命エネルギー(先天の気)を蓄える
- 成長や老化、生殖を司る
- 骨・脳・耳と深く関わる
といった役割を持つと考えられています。
武道をされている方やヨガ・気功をされている方は、
「丹田(たんでん)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
丹田は体の中心にエネルギーを集める場所とされており、
この丹田と深く関係しているのが「腎」だと考えられています。
「腎」の弱りが頭のぼーっと感につながるという考え方
東洋医学的な考え方では、
- 「腎」に蓄えられたエネルギーが不足する
↓脳へ十分なエネルギー供給ができなくなる
↓結果として頭がぼーっとする感覚が出る
と捉えることがあります。
これは西洋医学で言う「虚血」とは全く同じ意味ではありませんが、
**脳が十分に働くためのエネルギーが足りない“ような状態”**を説明するイメージとして理解しやすい考え方です。
日常生活でできる対処法
「腎」を養うことを意識したセルフケア
東洋医学の考え方をベースに、無理なく取り入れられる生活習慣をいくつか紹介します。
① 体を冷やしすぎない
「腎」は冷えに弱いと考えられています。
- 下腹部を冷やさない
- 腰回りを温める
- 冷たい飲み物を控えめにする
こういった意識だけでも、体の負担を減らせます。
② 深い呼吸で丹田を意識する
座った状態で、
- おへその下あたり(丹田)に意識を向ける
- 鼻からゆっくり息を吸う
- ゆっくり吐く
これを数分行うだけでも、体が落ち着きやすくなります。
③ 無理に頑張りすぎない
東洋医学では「腎のエネルギーは使いすぎると減る」と考えます。
- 疲れている日は休む
- 予定を詰め込みすぎない
- 頑張りすぎない
これも立派な養生のひとつです。
④ 目の使い過ぎを無くす
目を使い過ぎる事で血虚をすすめます
東洋医学では、目は血との関係が深い所で、見過ぎると血やエネルギーを浪費してしまいます。
- スマホを見る時間を減らす
- 寝る30分前には出来るだけ集中して見る事をさける
- お昼に少し目を閉じる(昼寝をする)
腎を安定させる事にもつながります。
まとめ
- 「頭がぼーっとする感覚」は、平衡感覚の乱れによる脳のオーバーワークが関係している可能性がある
- 東洋医学では「腎」の弱りが関係すると考える見方もある
- 体を温める、呼吸を整える、無理をしない、目を使いすぎないことが日常でできる対処法になる


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